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自己同一性


〈『気』の違い〉
塩田剛三という人の肖像写真をみると、頭に緊張感が集中しているのを感じるでしょうか

 

植芝盛平という人は緊張感が身体全体に均一になっていてバランスがいい
リラックスすると通常気は下に落ちていくと思いますが、塩田先生の場合は逆に上に気がのぼっている

 

これは植芝先生は比較的に身体全体で、塩田先生は頭脳で感じとっているためだと思われます

 

違いを言葉にするなら、身体と頭、無意識と意識でもいいし、感覚と理性、リラックスと思考でもいい

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ではなぜ、塩田先生はこれほど頭に緊張が強く、植芝先生の場合は緊張のバランスが身体全体に均質に広がっているのか?

というのが引っかかっていました

今では、二人のアイデンティティの違いに関わっているかもしれないと感じています
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〈心のよりどころ〉

人は心のよりどころがないと生きていけない、だから存在意義つまりアイデンティティが必要です
固定点と言い換えてもいい

古くは土地で、宗教や思想もそうだし、現代の日本だとほとんどの場合、組織つまり会社になります

 

土地に根付かない人は代わりに、言葉によってイデオロギーを創らないといけない。もしくは会社への帰属意識をイデオロギーにする必要がある

 

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 〈固定点〉
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は都市で成立しました

例えば土地を持たないユダヤ人はアイデンティティ維持ために強いイデオロギーが必要で、旧約聖書ができました

キリスト教も聖書です、イスラム教にはコーランがあります

 

都市社会の人は、第一次産業ではない、つまり足下にある土地に根付かないために『言葉』が固定点になっている

移動民が多いアメリカという国もそうだと思います。だからカトリック以上に『聖書』が強い固定点となるプロテスタントの国なんだろうと思います

 

それから、イデオロギーは言葉だけではない、つまりできるだけ固く動かない方がいい。古代の巨大建築物にもたくさんみれるわけです


うつろうと困るのが固定点です

 

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〈農家と都市民〉
植芝盛平という人は農家出身なので土地を耕せた

土地を耕せば、イデオロギーがなくても自分を保てる

土地は考えなくてもアイデンティティになる

言葉がいらない

 

 

けれども塩田剛三という人は農家出身じゃなかったから、精神的なよすがを土地以外に求めなければならなかった

つまり、考えてアイデンティティを創っていった 

だから都市で生まれた養神館は、固定点になるイデオロギーとして基本技六法を創ったのだと思っています
ただしこれは言葉でなく『型』です。日本の文化的特徴が反映されています

 

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コロナの後にリモートコミュニケーションが増え、ますますイデオロギーが必要になります


とすれば、武道の世界は会員同士の結びつきを強めるためにこれから何を共有していくのか、に興味があります
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